2014/10/31
ブログ
神無月
今年も早いもので残すところあと2ヶ月となりました。本日は10月最終日ということで,10月をテーマにお送りしたいと思います。
日本では陰暦10月を「神無月(かんなづき)」と呼びますが,その由来について,一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
諸説ありますが,有名な民間語源として,10月になると全国の神様が会議のために出雲大社に集まり,出雲以外に神様がいなくなることから「神無月」と呼び,反対に神様が集まる出雲では「神在月(かみありつき)」と呼ぶという説です。
実際に出雲大社では,神々を迎える「神迎祭(かみむかえさい)」や会議の間の「神在祭(かみありさい)」,神々を見送る「神等去出祭(からさでさい)」など神在月の神事が執り行われています。
出雲の他にもう1カ所,諏訪大社の周辺が10月を神在月としています。伝承によると,「諏訪明神(すわみょうじん)」があまりにも巨体のため,出雲に集まった神々が諏訪明神を案じて「諏訪明神に限っては、出雲に出向かずとも良い」ということになり,神無月にも諏訪大社に神様が在ることから神在月とされているそうです。この「諏訪明神」が諏訪大社の御祭神「建御名方神(たけみなかたのかみ)」であるとすると,古事記の説話(※)との関連も考察でき,非常に興味深い伝承です。
※ 天孫降臨に先立ち,建御雷神(たけみかづち)が出雲大社の御祭神である大国主命(おおくにぬしのみこと)に国譲りを迫った際,大国主命の次男である建御名方神はこれに反対し,建御雷神に相撲を挑んだものの敗れ,逃れた諏訪の地で,以後は他の土地へ出ないことを誓わされた諏訪大社の起源とされている説話
他にも神無月にまつわる諸説がありますので,一部紹介します。
・神々が不在の間に留守を預かる「留守神(るすがみ)」(多くは恵比寿様とされている。)が存在するので,すべての神様がいなくなるわけでない。
・神々が出雲に集まるのは,男女の縁結びを決める相談をするためとされ,かつて佐渡では10月の縁談を避ける風習があった。
出雲大社や諏訪大社についても様々な伝承や説話があり,特に諏訪大社は実際に参拝したことがあるので,いろいろと紹介したいところではありますが,長くなりますので,またの機会に紹介できたらと思います。
先述した出雲大社の神在月の神事には一般公開されているものもあるので,神様がお集まりになる様子を一度は見てみたいものです。
【投稿者:酒井】
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