2016/12/27
法務情報
弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント②-懲戒処分について-
新潟事務所、ビジネス、労働、燕三条事務所、弁護士五十嵐亮、長岡事務所、新発田事務所、上越事務所、企業・団体、東京事務所
今回は前回に引き続き,
弁護士がお伝えする問題社員対応のポイント②-懲戒処分について-
をお届けします。
まだご覧になっていない方は,前回の記事もぜひあわせてお読みください。
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法的処分とそれ以外の分類
問題社員に対する対応方法には,
法的効果を伴うものとそうでないものがあります。
前者には懲戒処分や普通解雇が当てはまりますし,
後者には,通常の注意・指導が当てはまります。
「法的効果」というのは,例えば,
減給処分で言うところの賃金が下がること,
解雇で言うところの職を失うことがそれに当たります。
法的効果が生じる処分は,裁判でその適法性・有効性を争うことが可能ですので,
後から違法と判断されたり,場合によっては損害賠償を請求されたりするリスクを伴うことになります。
単なる注意・指導の場合には,それ自体を違法・無効と言われることはありません
(注意・指導がパワハラに当たるような場合は別ですが)。
なので,注意・指導からはじめて,それでも改善されない場合には,懲戒処分を検討します。
懲戒処分の分類
懲戒処分は,軽いものから順に,戒告・譴責,減給,出勤停止,懲戒解雇に分類されます。
戒告・譴責は,懲戒処分として行う注意・指導です。
懲戒歴にとして記録されることやその懲戒歴が賞与の算定,昇進の判断等に影響されることが,
単なる注意・指導と異なります。始末書の提出を伴うこともあります。
減給は,賃金の額から一定額を差し引くことです。
出勤停止は,制裁として就労を一定期間禁止することです。
出勤期間中は,賃金が支給されず,勤続年数にも参入されないのが通例です。
懲戒解雇は,懲戒として解雇を行うことです。
解雇予告(ないし解雇予告手当)が不要であることや
退職金の全部または一部の不支給もあり得ることが,普通解雇と異なります。
軽い懲戒処分からはじめることが通常です。
いきなり懲戒解雇処分をしてしまうと違法無効とされてしまうリスクが高いです。
懲戒処分の注意点
懲戒処分はいつでもできるわけではありません。
むやみに懲戒処分を行うと違法と判断されるリスクがあります。
懲戒処分を行うには就業規則に定められた懲戒事由に該当することだけでは足りず,
さらに企業秩序に違反したこと及び懲戒処分を行うだけの社会的相当性が必要です。
ですので,懲戒処分を検討される場合には,事前に弁護士に相談されることをオススメします。
<初出:新潟県建設ユニオン様機関紙2016年11月号>
※掲載時の法令に基づいており,現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。
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