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法務情報

2011/09/20

法務情報

【法務情報】弁護士白書について

弁護士今井誠新潟事務所その他

 皆さんは「弁護士白書」をご覧になったことはありますか?

 
 おそらく大部分の方々はそのような白書があること自体を知らないのではないかと思います。

 
 今、私の手もとに「弁護士白書」(2009年版)がありますので、内容をごく簡単に紹介します。

 
 2009年度の特集は「多様化する弁護士の活動」となっていますが、2008年は「男女共同参画と弁護士」、2007年は「日弁連の人権救済活動を振り返って」となっています。

 
 この特集の中で、組織内弁護士として働く弁護士が紹介されています。ここで組織内弁護士と呼ばれているのは「企業内弁護士」や「任期付公務員」のことで、昨年(※2009年)6月現在で前者が345人、後者が81人となっています。

 
 企業内弁護士というのは、企業の役員、従業員、使用人として企業内で仕事をしている弁護士で「社内弁護士」とも呼ばれています。企業内弁護士の所属する企業は、大半が民間の大手企業ですが、最近では中小企業に迎えられるケースも出てきているようです。

 
 任期付公務員というのは、法律・条例などに基づいて中央省庁や地方公共団体などで任期付で採用されている職員のことです。企業内弁護士を多く採用している企業としては、パナソニック、三菱商事、第一生命、日本アイ・ビー・エムなどがあります。

 
 一方、任期付公務員を多く採用している官公庁としては、金融庁、公正取引委員会、財務省、外務省などがあります。

 
 こうした組織内弁護士のほかに弁護士の活動領域が年々拡大してきています。

 
 あっせん・仲裁などの「ADR(裁判外紛争解決手続)」活動、国際司法支援活動、法科大学院での実務指導、国会議員や自治体の首長、政策秘書、非常勤裁判官などなどです。

 
 ちなみに昨年9月現在、弁護士登録している国会議員は、衆議院議員21名、参議院議員16名となっています。

 
 なお「企業内弁護士」についての詳しい情報を知りたい方は、日弁連・業務改革委編集の「企業内弁護士」(商事法務刊)をご覧下さい。

 

◆弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 今井 誠◆
<初出:顧問先向け情報紙「こもんず通心」2010年3月15日号(vol.50)>

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