INFORMATION

法務情報

2023/10/10

法務情報

置き配にポイント付与~トラブルにはご注意を!(弁護士 角家 理佳)

新潟事務所弁護士角家理佳消費者その他

運送業者の負担軽減へ 「置き配」利用でポイントが付与されます

 

コロナ禍で外出が制限された中、日常的にネット通販を利用する人が増えました。

それに伴い、宅配荷物の配送個数も増加し、さらに、配送先の不在による再配達が増えるなどして、物流業界で人手不足の状況になっています。

 

 

そのような中、2024年4月1日から、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されます。

働き方改革の一環で、トラックドライバーの労働環境の改善を目的としたものですが、物流業界では、さらなる人手不足が懸念されています。

いわゆる物流業界の2024年問題です。

 

 

この度、政府はこの問題の対策として、運送業者の負担となっている再配達を減らすために、通販で「置き配」を選んだ人にポイントを付与する「物流革新緊急パッケージ」を了承しました。

 

「置き配」とは、郵便局や宅配事業者、大手通販サイト等が行うサービスで、玄関前等、受取側があらかじめ指定した場所に荷物を届けてもらえるサービスです。

今回のパッケージでは、置き配だけでなく、コンビニエンスストアでの受け取りでもポイントが付与されるとのことです。

 

「置き配」は、不在時でも、そして非対面でも荷物を受け取ることができるため、利用者が増加しています。

配達する人も、再配達の必要がなくなるなど便利な置き配ですが、トラブルも少なくありません。

そこで、今回はその対処法をご紹介します。

 

置き配トラブル①頼んだ覚えのない商品が届いている

 

代表的なトラブルとしては、頼んだ覚えのない商品が届いた、しかも、返品伝票の宛先は配送業者で、どこに連絡してよいか分からないと言ったものがあります。

 

このようなケースは、「送り付け商法(ネガティブオプション)」の可能性があります。

送り付け商法とは、注文していない商品を一方的に送り付け、受け取った人が断らなければ買ったものとみなして、代金を請求する商法です。

 

この「送り付け商法」の場合は、届いた荷物は即日処分することができます。

事業者に連絡する必要はありません。

従来は、送り付け商法の場合も、事業者による引き取りがないまま14日間を経過しなければ荷物を処分することができませんでしたが、現在は、特定商取引法改正により、受け取った人は、即処分することができるようになりました。

代金を請求されても支払う義務もありません。

また、万一、誤解により代金を支払った場合も返金を請求できます。

ただ、支払ってしまった場合、このような業者から代金を取り戻すのは容易でないので、支払わないのが一番です。

 

ただし! 酔ってポチって自分が頼んだ記憶がないだけとか、自分が頼んだのに忘れたという場合は、もちろん支払う必要がありますので、本当に支払いの必要がないか否かは、きちんと確認する必要があります。

 

もし、心当たりのない商品が送られてきて困った場合や悪質な通販事業者にあたってしまった場合は、最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン188:いやや!と覚えてください。)に相談されるとよいでしょう。

 

置き配トラブル②届いたはずの商品が盗難に遭う

また、置き配の場合は、配達後に盗難に遭ったという声もよく聞きます。

 

この点については、業者や商品によっては、鍵やワイヤー・ケーブルなどがついた「宅配ボックス」、「置き配バッグ」などを利用できる場合がありますので、上手に利用されるとよいと思います。

とはいえ、高額な商品の受取には、置き配は不向きかもしれません。

 

さいごに

置き配は、上手に利用すればとても便利です。

トラブルもあることを理解して、対策を講じた上で、利用されることをお勧めします。

 

この記事を執筆した弁護士
弁護士 角家 理佳

角家 理佳
(かどや りか)

一新総合法律事務所
理事/弁護士

出身地:新潟市 
出身大学:早稲田大学法学部

新潟県弁護士会副会長(平成28年度)などを務めています。
主な取扱い分野は、相続全般(遺言書作成、遺産分割、相続放棄、遺留分請求など)です。そのほか、離婚、後見等、家事事件に力を入れています。
​新潟士業相続センターのメンバーとしての活動や、相続セミナーの外部講師を務めるなど、所内外で相続問題の解決に尽力しています。


◆弁護士コラム一覧はこちら

◆相談のご予約・お問い合わせはこちら

 

【ご注意】

◆記事の内容については、執筆当時の法令及び情報に基づく一般論であり、個別具体的な事情によっては、異なる結論になる可能性もございます。ご相談や法律的な判断については、個別に相談ください。

◆当事務所は、本サイト上で提供している情報に関していかなる保証もするものではありません。本サイトの利用によって何らかの損害が発生した場合でも、当事務所は一切の責任を負いません。

◆本サイト上に記載されている情報やURLは予告なしに変更、削除することがあります。情報の変更および削除によって何らかの損害が発生したとしても、当事務所は一切責任を負いません。

 

 

月間アーカイブ